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工学部でLEGOの学習を試行しました
2013年8月
2013年8月
教育学部では2013年の秋学期に、LEGO Mindstormsを教材として、ロボットについての基本的な知識を修得すると同時に、その指導法を学ぶ授業を開講します。特に、問題が発生したときに自ら原因を探究する能力と、チームワークの在り方を実践的に経験し、ロボット製作を通じて磨かれる問題解決思考について知ることが目的です。
この授業を実施するにあたり、授業の内容を確認するための準備として、工学部の学生を対象としてLEGO Mindstormsによるロボット製作の演習を行いました。参加した学生は機械情報システム学科の一年生12名で、二人でチームを作って共同でロボットを作りました。ほとんどの学生がLEGO Mindstormsは未経験でした。
演習で行ったこと
- レゴを知る
レゴを使ったことのない学生も多いため、レゴを使って頑丈な四角形や立方体などを作りながら、レゴの基本的な組み立て方を学習しました。 - 歯車とモーターを知る
歯車の組み合わせで得られる速度変化を経験し、歯車のしくみを知ります。またモータのしくみを学習し、プログラムを作って実際に動くロボットを作りました。
ここで、カーレースを行いました。5秒間で止まった状態からダッシュしてどこまで走ることができるか。ロボットは5秒間だけダッシュして自動的に止まり、その距離を測りました。最高記録は9.7メートルでした。 - センサーを使う
タッチセンサー、超音波センサー、光センサーなど、自分の作ったロボットにセンサーを組み合わせ、実際にどのようなことができるかを学習しました。
例えば、光センサー1つを使い、床に書かれた線に沿って走るロボットを作ります。そして光センサーを2つに増やすと、前回のロボットの動きが改良できることを経験しました。 - 投てき器を作る
レゴとモーターとコントローラを使い、ボールをできるだけ遠くまで投げる投てき器を作りました。下手に作ると50センチくらいしか飛びませんが、工夫に工夫を重ねると2メートルくらい飛ぶように改良されました。
時間の経過
上記の1〜4は、2013年の春学期のあいだの約二カ月で行いました。週に一回の時間の他に、自主練習に学生が集まってロボットを組み立てていることもありました。
- レゴの組み立て方、モーターやギアなど,レゴそのものを理解することに三週間かかりました。
- Mindstormsのプログラミングは段階的に難しくしていき、三週間程度で自由に使えるようになりました。
ここまで来ると、例えば投てき器は自分で作れるようになりました。
教育という立場から見ると、Lego Mindstormsが使えるようになった後に
- グループ製作(企画)/これまでの学習を総合した課題を設定
- グループ製作(設計)/課題に応じたロボットを設計する。
- グループ製作(製作)/各グループで企画したロボットを製作する。
- 各グループで製作したロボットを発表し評価する。
といった経験を積むと、レゴというおもちゃを教材としても十分に教育効果のある授業の企画ができるようになると期待されます。
TRCPは、大学生にこのような経験を積んでもらうことで、生徒を指導してロボットサークルを運営し、さらに授業にロボットを使い、チームワークや問題解決思考を指導できる教育の育成を実現したいと願っています。