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2012年9月13日
2012年9月11日(火)、東京・千代田区のホテルニューオータニにおいて、ロボット部(顧問:高等部 有川 淳 教諭)9年生6人が、家庭用ロボット掃除機「ルンバ」を開発したアイロボット社のCEOコリン・アングル氏とプライベートセミナーを行う機会をいただきました。
9年生の生徒達は、緊張も最高潮のままアングル氏が待つ部屋に入ると、アイロボット社の関係者約20人と共に拍手で温かく迎えられました。生徒達の自己紹介が終わると、早速「君たちが作ったロボットを見せてくれないか」とアングル氏。
まず、生徒達が自作のロボットを4点披露しました。「作成するのに一番苦労した点、難しかった点は?」「まっすぐ進むのと、左右に曲がるためのプログラミングはどちらが難しかった?」「前方の物体との距離を感知し、ぶつからないためにどのようなセンサーを使っているの?」などの質問を受けた生徒達は、時折、有川先生に単語を確認し、専門的な用語は通訳の方にもアドバイスをいただき、パソコンで自分たちが作ったロボットの動画を見ていただきながら、作成にあたっての工夫や苦労について説明しました。
上:自作のロボットを披露 下:稼働体験
次に、生徒達は、アングル氏が今までに発表したロボットを紹介していただきました。アングル氏が、学生時代に観たあるSF映画をきっかけに作成した歩行ロボットの話や、水深1,000メートルまで潜れる海洋探査ロボット「Seaglider(シーグライダー)」を見ながら生徒達はその説明に質問を交えつつ、興味深く耳を傾けました。生徒からの「なぜ、ロボットを作るようになったのですか?」という問いにアングル氏は、「人の役に立つロボットを作りたいと考えたから」と笑顔で答えてくださいました。また、生徒達がファースト・レゴ・リーグ(FLL)全国大会に出場したロボットを紹介したところ、アングル氏は「自分も実はFLLの審判をしたことがあるんだよ。」と思いがけないエピソードを話してくださいました。その他にも戦地で人間の代わりに働く多目的作業用ロボット「PackBot(パックボット)」については、操作が難しく、ロボット自体の重さも難点であったとアングル氏は語ってくださいました。
…とその時、突然、約30センチ四方の戦車のような形をした偵察ロボット「FirstLook(ファーストルック)」をアングル氏が放り投げました。ドスンドスンとバウンドして床に落ちた偵察ロボットを見て、一同は唖然。しかし、アングル氏は、「頑丈にできているからこの程度では壊れないんだよ。以前の多目的作業用ロボットの操作を誰にでもできるよう改良して、さらに軽量化したこのロボットを操作してみるかい!?」とリモコンを差し出してくださいました。「やる!やる!」と生徒達は自分の順番を待ちます。生徒達は、「階段に見立てた段ボールを登る」、「ロボットを見ないで、リモコンとモニターだけを見て操作する」というアングル氏から与えられた2つの課題に皆で試行錯誤しながらチャレンジし、充実したロボット稼働体験を行いました。
プライベートセミナーを終えて、生徒達からは、「アングル氏の『人の役に立つロボットを作る』という考え方を今後のロボット作りに役立てたい」、「既製のものではなく、一からロボットを作るアングル氏の情熱に触れることができて、今までと異なる意識が持てた」という感想が聞かれました。今後のロボット部の活動に期待が寄せられる貴重な時間を体験することができました。